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2024
05May

「いや、既に来ている」滝澤 貢牧師

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出エジプト33:7−11/ローマ8:28−39/ヨハネ16:25−33/詩編8:1−10

 「だが、あなたがたが散らされて自分の家に帰ってしまい、わたしをひとりきりにする時が来る。いや、既に来ている。しかし、わたしはひとりではない。父が、共にいてくださるからだ。」(ヨハネ16:32)

 山口県に住んでいた時、「憲法を活かす市民の会・やまぐち」という市民運動グループに属して、事務局長や代表世話人などの仕事をしていました。このグループは今も活発に活動をしていて、毎月「ニュースレター」が送られてきます。
 山口県には中国電力が「上関原子力発電所」を建設しようと計画していますが、もう20年以上反対運動が取り組まれています。そして最近この場所が再び注目を集めるようになりました。それは中国電力が所有地である原発建設予定地に、使用済燃料中間貯蔵施設をつくろうとしているからです。当然市民の会もこれに反対をして様々な反対集会などを行っています。今回取り組まれたのは「上関原発を建てさせない・核のゴミはいらない山口大集会」と銘打った集会でした。
 この集会にゲストとして招かれた福島の「子ども被爆裁判原告代表」をしておられる今野寿美雄さんがこんなことを話されたそうです。福島では住宅支援が打ち切りとなり、応急避難住宅の明け渡しが迫られているそうで、それに対する損害賠償請求が市民により定礎されているにも関わらず、県は住民退去の強制執行を申し立てたのだと。「福島県は加害者である国と結託している。放射能の情報も出さなかったし、最後のひとりまで寄り添うと言いつつ県民を追い出す」という報告だったのだそうです。そんな厳しい状況の中ですが今野さんは「あきれはててもあきらめない」とも語り、集会参加者の心を強く揺さぶったのでした。
 全国各地でいろいろな市民運動が立ち上げられていて、活発に活動が展開されていますが、自治体や国を相手にする闘いはどこも厳しいのが現状です。今回衆議院の補欠選挙が全国3箇所で行われて、与野党直接対決となった自民党王国島根1区で自民党候補が敗退し、他2箇所は不戦敗という結果に終わりました。あれほど国中を騒がせた自民党ではありますが、この国では相変わらず強い力を持っていて、今回も無難な結果が出るのではないかと思っていたので、これは衝撃でした。そんなこともあるのだと思いました。
 この国はどうしても「長いものに巻かれる」風土ですから、自治体や国を相手にする市民運動は厳しい状況が続くわけですが、しかし運動の担い手たちは良くこんなことを言います。「わたしたちは負けない。何故なら勝つまで運動を続けるから」と。今野さんの言葉と通ずる熱い思いが込められています。「勝つまで続けるから負けない」「あきれ果てても諦めない」。草の根の市民にはそういう力があって、その小さな力が巨大な「権力」に充分対抗しているのです。
 今日お読みいただいたヨハネ福音書は13章から続く「イエスの告別説教」と呼ばれる長い纏まりの終わりの部分です。この告別説教のあとは、弟子たちのために神に祈りを捧げるイエスが描かれています。
 十字架による処刑はイエスにとっては既定事実でした。だからその前に弟子たちに向けて語るべき事柄を語り尽くそうとしている、それが「告別説教」なのです。「あなたが何でもご存じで、だれもお尋ねする必要のないことが、今、分かりました。」(30)という弟子たちの応答が、そのイエスの迫力をわたしたちに伝えています。イエスの態度が少しも感傷的ではなかったということなのかも知れません。むしろ終わりの時を前に、イエスにはその先の勝利が見えていたのです。
 「既に来ている」(32)とか「わたしは既に世に勝っている。」(33)という言葉がそれを表しています。状況を冷静に見たら、イエスはこれからユダヤの指導者たちに捕らえられて、翻弄され、最後にはローマの国家権力によって裁かれ、当時最も忌み嫌われていた殺され方で処刑されるのです。悲惨な出来事、この世的に見れば負け以外の何ものでもない出来事が、これから続いて行くのです。そしてわたしたちは、「死」がすべての終わりをもたらすとしか思えないのです。
 しかしイエスにはその先がわかっている。ヨハネはまるで「それこそが神の時間軸だ」と言っているようです。神の救いの業は、これから先いつか起こることではなく、既に今、その時が来ているゆえに今の苦難に立ち向かいなさい、という姿勢なのです。
 平和を実現する者とは、平和のために「勝つまで続けるから負けない」「あきれ果てても諦めない」者たちのことを指すのでしょう。平和を実現する者は、今現実がどれ程ひどい状態であったとしても、既に「平和」を手にしているゆえに、「平和な世界」を見ているゆえに、そのひどい現実に立ち向かうのです。既に平和は、勝利は既定事実なのだから、平和を実現する者たちに諦めはないのです。
 イエスは「神のご計画」を見る眼差しをわたしたちに教えてくださっている。だから「世で苦難がある。しかし、勇気を出しなさい。」(33)と、わたしたちのために今、祈ってくださっているのです。

祈ります。
 すべての者を愛し、お導きくださる神さま。わたしたちの時は有限で、あなたの時は永遠です。わたしたちは自分に与えられた時の中で勝利しなければすべてが無駄に思えてしまいます。しかしあなたは永遠の先にすべての勝利と救いを既に手になさっている。それゆえに、わたしたちにそれを知らせるためにイエスさまを送ってくださったのです。どうぞそのことを信じることが出来ますように。有限なわたしたちも永遠を見ることが出来るのだと知らしめてください。復活の主イエス・キリストの御名によって、まことの神さまにこの祈りを捧げます。アーメン。

四谷快談 No.162 休日!

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