四谷に来て自家用車を持たない生活。どこかへ出かけるのも必ず電車(か徒歩)になったので今では完全に他人事なのだが、相変わらず「ゴールデンウィーク○○キロの渋滞」というニュースがたくさん流れてくるのを客観的に観ている。
毎回不思議に思うのだけれど、ワイドショーなどはわざわざ中継車両を出してまで、その渋滞の中からレポートをしている。リビングでテレビを観ている人たちはそういうリアリティを求めているのだろうか。あるいは今まさにその渋滞のただ中で運転している人にとって、その中継に意味はあるのだろうか。だけど何故かその中継はあちこちのテレビ局で実際に行われている。
さらに笑っちゃうのは、その渋滞の状態をスタジオで受けながら、「渋滞の車内でイライラを紛らわす方法」なるモノを伝えていること。仮に紹介されることが最善の方法だとしても、まさに渋滞の中にいる自動車の中でその放送をリアルタイムに見ている人はどれくらいいるだろうか。「イイことをやってくれた、助かる。」という反応が一体どれくらい返ってくるのだろうか。まぁあり得ないような気がする。全体を通してエンターティメントだというなら、わたしは今朝、まさにそのエンタメで笑っちゃった一人ではあるのだが。
ところで、車を使わなくなるということは訪ねる先が限られるということでもある。交通機関の運航ルートと時間に従わなければならないのだから当然なのだが時間は時刻表に縛られる。一方で駅から目的地までの道のりに思わぬ出会いが訪れたりもする。車だったら気づかないような些細な出会いも、限られた時間やルートにあって突然やって来るとても嬉しい瞬間になったりするのだ。さらに呑兵衛には「試飲」なんていう嬉しいサービスと出会うこともある。これは公共交通機関利用者ならではのこと。
などなど、映し出されるテレビの絵を眺めながら、ブツブツと様々呟きながら、何もしない休日が去って行くのだった。
2024
05May