自民党総裁選挙で争点の一つとなったのが「選択的夫婦別姓」。これが「争点」となるということは、選択を認めたくない勢力がかなりの数いるということになるのだろう。
選択制にしたくない側の論理の一つは「夫婦が別の姓を名乗るようになったら家庭が崩壊する」だった。確かにそういう家庭もあるかも知れない。そうだとすれば、「家庭」を崩壊させないために誰かが負を一手に引き受けている現実があるということを同時に言い表していることになるのだが、こういう発言を真面目にする人たちはそんなことに気づきもしない。自分たちの発言の中にそれが含まれているなんて想像もしていないのだろう。
ところが、大変困ったことに、わが日本基督教団に似たような(滑稽な)課題があって、しかも嘆かわしいことに10月29日から31日まで開かれていた第43回教団総会で、その嘆かわしい滑稽な議案が賛成多数で可決された。その議案は「日本基督教団の全体教会としての一体性を確認する件」という。
これは6つのことについて確認するという議案。その6つも特記するようなニュース(特にグッドニュース)はない。ではなぜ今。提案理由にはこうある。「日本基督教団の全体教会としての一体性は、教憲および教規にすでに定められている。その内容を確認するためにこの議案を提案する。」。ますます「はぁ?」。
「一体性」をわかりやすく例えるなら、ユニフォームかな。神学生時代キリスト教教育を担当された水野誠先生は「一致にはユニティとユニフォーミティがある」と何度も仰った。キリスト教教育が目指すのは「ユニティだ」、と。使徒言行録が語る聖霊降臨の出来事を読む度に、キリスト教会の一致とはユニティさえ超える「ハーモニー」なのではないかとわたしは思う。ハーモニーによる一致、ハーモニーこそ一致。
この議案を推進する人たち、つまり我々にユニフォーム着用を強要する人たちには許されそうもない発想だけどね。
2024
03Nov