先日、新宿区教育長を表敬訪問してきた。
新宿区には幼稚園が30あって、うち私立幼稚園は9園。以前いた川崎などでは公立幼稚園はすべて閉園だったし、中野区も0園、練馬区で辛うじて2園が公立。そういう流れに反して、私立幼稚園が極端に少ないのが新宿区の特徴なのかもしれない。
全国で幼稚園が壊滅的な募集状況になっていることは既に書いた。東京都の私立幼稚園も募集定員の6割しか集まらない。それを新宿区の私立幼稚園で見れば深刻度合いがさらに厳しい。というのも2019年に園児総数は1,126人だったのだがこれは18年度より8人多く、全体でも100.7%の伸びがあった。これが以後4年間激減(-3.6%,-6.0%,-9.8%,-11.3%)となり、2019年と比較して23年は310人減の816人となっている。310人といったら規模が大きい私立幼稚園一つが消滅したくらいの人数なのだ。四谷新生幼稚園は長く3クラス60人を維持してきたが、23年度は53名、募集定員がカッキリ60%だった。実数では25名募集に対して15名、つまり10名足りなかったわけだから、3年経ったら1クラス分子どもが消滅する計算になる。わたしが赴任して3年目、丁度1クラス分が減ったわけだ。
少子化が顕著に表れたことに加え、コロナ禍が大きく影を落としている。幼稚園はそれぞれに特徴があるわけで、その特徴に触れてもらって初めて「入園」というステップになる。単純に希望者を分割すれば良いわけではない。ところがコロナ禍で幼稚園を体験してもらうプログラムを展開できなかった。つまり、触れてもらう段階を創り出せなかった。それはキビシイことだった。
そういった状況を教育長にも理解いただき、魅力的な9つの私立幼稚園があることを、子育て世代が新宿区に定着するひとつのセールスポイントとなるような努力を行政にも求め、幼稚園もさらに研鑽して行きたいということだったのだ。
深刻な現状だからこそ、逆にしっかりと道を見定めたいもの。