先日ついに「地域包括ケア推進課高齢いきがい係」というところのお世話になった。人生60歳とはそういう年齢なのだと改めて痛感した。
一体何の御用だったのか。実は新宿区は「ふれあい入浴事業」というのを行っていて、区内の公衆浴場を60歳以上であれば月に4回まで無料で利用できる。このためには「ふれあい入浴証」を交付してもらわなければならない。で、買い物ついでに区役所四谷特別出張所に出向いて、冒頭の係のお世話になったのだった。
わたしの家はわたしが生まれる三年ほど前に新婚だった父と母が入居した新築の町営住宅だった。写真で見るしかないが多分風呂場はなくて間取りは6畳と4畳半と3畳に台所とトイレが付いただけの物件だったようだ。父は大工だったので風呂場を増築し、職業が幸いして燃料になる木っ端がいつも豊富にあった。だから我が家はずっと鉄砲風呂だった。
新潟で寮生活をしていた高校生の時、同級生の家に泊まりに出かけ生まれて初めて「銭湯」を経験した。新潟市の下町で、背中一面に彫り物のあるおじさんが一緒に入浴していてちょっと焦った思い出がある。社会人になって盛岡で最初のアパートに風呂はなく、国道を渡って3〜4分先の銭湯に通った。冬は日本一寒い県庁所在地、アパートに戻るこの3〜4分だけで髪の毛もタオルも凍りつくのが今では笑い話のようだ。
以後入居する牧師館は当然のように風呂付き。ありがたい。でも一方で銭湯だとか温泉だとかも捨てがたい魅力がある。四谷は都心ではあるけど都会と言うより下町の風情がたっぷり残っていて、やはり3〜4分のところに銭湯が一軒ある。新宿区内にはそこも含めて19箇所が今日も営業している。どこに行く予定もない年末・年始。さっそく入浴証のお世話になろうかな。
ただ、江戸っ子の風呂は熱いのがなぁ。新参者故に風呂に差し水はさすがに勇気無い。彫りモンのおじさんはいないけどね。