キリスト教会で牧師をするためには資格がいる。日本基督教団では、神学校を卒業し、教師検定試験を受験・合格した者に「准允」が与えられる。これが「伝道師」としての資格。神学校を卒業しないでおよそ3年間かけて試験で合格科目を取得する方法もある。通称「Cコース」と呼ばれる方法。しかし、いずれにせよ試験に合格しないと「准允」は受けられない。
因みに今日8月17日に四谷新生教会で説教してくださる久保彩奈さんは6月に准允を受けた早稲田教会の伝道師である。
准允を受けて概ね2年以上教会や伝道の場で働いた者は、さらに正教師試験を受けて合格すれば「牧師」となる。この際には「按手」を受ける。按手を受けた牧師は聖礼典を執行出来る。
これが日本基督教団の定める規則。「規則」は天与のモノではないから様々な不具合とか誤解とか偏見が含まれる。人間がつくるのだ、完璧などない。だが「規則」である以上ある規範性が付いて、それを変更するには手続きを踏まなければならない。
日本基督教団にだけ所属していると、このような決まりがまるで天与のごとく感じられてしまうのだが、以前横浜にあるバプテスト同盟の神学校に招かれてお話をした時に、「神学校を卒業して試験を2度受けて牧師になる」と話したところ、学生たちに大変に驚かれた。バプテスト同盟では神学校を卒業したら基本的には牧師となる資格がある。会議で審問されはするのだが、試験を課せられることはないのだそう。確かに、考えてみれば、神学校を卒業して教会に教師として招かれた以上、准允を受けた伝道師であろうと按手を受けた正教師であろうと「教会の教師」という責任の重さは変わりない。自らに「訓練」が必要だと感じる以前に制度として課せられる責任が異なるというのもなんだかなぁ。
ま、世間はそれ以上に学歴が大事なようで、大学を卒業したのか除籍になったのかでもめにもめているらしい。騒動を傍観する者にとっては学歴と人間性がどんどん乖離してゆくのだが…。
2025
17Aug
四谷快談 No.229 資格四面の世の中
