自民党が歴史的大敗と報じられた東京都議会議員選挙。地域政党「都民ファーストの会」が31議席を獲得して第1党に返り咲き、自民党は21議席で過去最低(開票後3人を公認)だった。これを受けてテレビや新聞は「自民大敗、公明全員当選ならず、都民ファ第1党」と報道したわけだ。
だが、小池知事を中心とした与党(都民ファ+自民+公明)は結果的には過半数を超えたわけで、これまで議席のなかった国民民主党と参政党が議席を確保したとは言え、大変革には至らないまさに「勝者のない選挙」だったのだろう。個人的な感想として期待していなかった割に失望感だけは膨らんでいる。それは都議選のせいと言うよりこのところ積もりに積もった政治不信がまるで払拭されず、という辺りに原因がありそう。
ただほんの僅かながら光明が差したのは確定投票率だな。前回よりも5・2ポイント増の47・59%だった。つまり僅か5ポイント増えただけでも世間を騒がせる──少なくとも政権与党を震撼させる──結果を生むことが出来たのだ。
「先の見えにくい時代」と言われて久しい。「誰が選ばれても結局同じ」なんてたぶんこの50〜60年言われ続けてきた気もする。そして「その現実をたかが1票で変えられるわけがない」とも。確かに。だが例えそうであったとしても、僅か・たかが1票が時には風を吹かせることもあるのだ。それを行使しないのはやはりもったいないことだということを、今回の選挙結果は示してくれたのではないだろうか。
様々に、劇的に取り上げられる「巳年選挙」。これを書いている今日7月3日が第27回参議院議員普通選挙の公示日だ。風の吹く巳年選挙となるのだろうか。新聞・テレビは盛んに「物価高対策が最大の争点」と言うが、いやいや、今考えなければならないことはまだまだたくさんあるだろう。
落ち着いて、本質を見極めて、1票を行使したいものだ。
2025
06Jul
四谷快談 No.222 巳年選挙
