「国民ひとりあたりに2万円給付」と取り沙汰されている。その根拠が「食費にかかる1年間の消費税負担額が1人当たり2万円程度」という(ちゃんとした)計算の下だぜ、と自慢げ。
ニュースで流れたその数字を聞き流したのだが、改めて電卓ではじいてみた。食費にかかる消費税は軽減(!)税率適用で8%だから、2万円を8で割って100倍すればひとりあたりの1年間の食費になる。計算するとざっと25万円。一年間というのだからこれを365で割ってさらに一日3食分として3で割れば、出てくる数字は228円となる。つまり、2万円を給付してもらう日本人のひとりあたり1食が230円に満たないということをJ民党のM山さんは蕩々と宣べたわけ。
で、一般的と呼んで良いかどうか躊躇うが、新宿区役所の「食堂けやき」で職員が食べるであろうメニューの中で今日のお昼ごはんを230円で賄おうとしたら、日替わり定食系は無理。レギュラーメニューでも最安ミニカレーで350円だからこれも無理。では単品チョイスで、ごはん(100円)と味噌汁(50円)に各種小鉢から一皿(120円)にしても予算を40円オーバーしてしまう。極めて不健康だが朝夜ヌキで一日昼食だけにしたとしても、日替わりメニューでやっと10円のお釣りなのだぞ。
M山さんとしては、「2万円の給付は実質食料品への消費税ゼロと同じ」と言いたいのかも知れないが、いやいや、あんな言われ方したら多くの人は電卓を叩いてあざ笑うと思うよ。
この財源が「税収の上振れ」で賄うというのであれば、上振れない程度の税金(つまり減税)にした方が訴求力はあるだろうなぁ。「すぐには出来ない」と必ず仰るが、日本には「給与の天引き」と「年末調整」という、絶対税金を取りっぱぐれないシステムがあるのだから、その調整で食料品0%を実現したら良いだけの話ではないか。
何にせよ、自慢げに語った分、裏目に出たよね。
2025
22Jun
四谷快談 No.221 2万円狂想曲
