スタジオに昭和世代と平成前後世代の3世代回答者グループをつくり、懐かしい昭和の時代の動画を見せて、令和の若者たちの違和感をクイズにするテレビ番組がある。クイズの正解数だけを競うのではなく、昔の当たり前が今はそうではないことをさり気なく強調する構成で、なかなか楽しめるバラエティ。
違和感を感じやすいのは若い回答者なわけで、有利には違いない。圧倒的不利に立たされる昭和世代の回答者たちは、動画を繰り返し見た後でも、口を揃えて「なんも違和感を感じない」と言う。それを見ているわたし(バリバリの昭和世代、なんなら回答者よりエルダー)も全く同感。
そう言えば、長女の家族(夫婦揃ってアラサー)を観るたびにまさに「世代感」だと思うことがある。夫(つまり婿殿)が良く子ども(つまり孫)の世話をするのだ。わたしなどは子育てに全くタッチしなかったわけで、そういう世代から観ると「スゴいなぁ」と思うのだが、娘たちに言わせればそれがその世代としてはわりと普通だという。
15年ほど前「イクメン」という言葉が流行った。育児に参加するメンズという意味。「イケメン(イケてるメンズ)」をもじった流行語で、当時わたしは強烈に違和感を抱いた。嘘くさかったからだ。だが現在では娘家族がそうであるように男性の育児参加が当たり前になりつつあり、そういう世代にとっても「イクメン」には違和感があるらしい。特別視されるほどのことではないということか。確かに2010年度の男性育児休業取得率は1.38%だったが2023年度はそれが30.1%にのぼるという。
15年前川崎の幼稚園入園式は父親も出席するのが2割程度だった。この春四谷の入園式にパパたちほぼ100%。父親が幼稚園行事に参加するために仕事を休むことが充分に認知されているということなら嬉しいことだ。ゆるやかな優しい社会になって行く兆しだと信じたい。
2025
20Apr
四谷快談 No.212 世代感(ママ)
