話題の映画「教皇選挙」を観た。
教皇が亡くなったあと次の教皇がどうやって選ばれるのかについては朧気ながら知っていたし、この映画の基本的なストーリーはその知識と大差なかった。その上でやはり前評判通りの「極上のミステリー」だった。
その場所こそカトリック教会の「総本山」という限定された空間での出来事であり、そのように描かれてはいるが、そこで引き起こされていることは、「教会」という狭い──しかも「聖なる」などと一般的には考えられている──空間だけで起き得る特殊なこと、ではない。「聖」と対置されるという意味で「俗」なる場所で絶えず、いつも、引き起こされている事柄に過ぎない。なのにそれが「聖」なる場所で起こるからこそ「極上の」ミステリーになる、というのも考えてみればかなり滑稽だ。
次の教皇を選出するための選挙を管理する人として立てられたのがいわば主人公、ローレンス枢機卿。2024年12月7日午後にバチカンの聖ペトロ大聖堂で公開枢機卿会議が開かれ、21人の新枢機卿の叙任式が行われたという。その結果、現在の枢機卿会のメンバーの総数は253人、このうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は140人、投票権を持たない80歳以上の枢機卿は113人となっているそうだ(バチカンニュース)。
そのローレンス枢機卿が選挙初日の朝に説教をする場面があった。慣例の言葉が並べられたあと「面白くないな」と呟いて自分の考えを述べ始める。その中で「「確信」という罪」という言葉が吐かれた。それを聞いたわたしはまるで雷に打たれたかのようだった(かなり大げさ?)。そう、それそれ、わたしが言いたかったこと!!
因みにローレンス枢機卿を演じたのはレイフ・ファインズ。1962年生まれのイギリスの俳優。彼はハリーポッターシリーズでなんとヴォルデモートを演じてもいる。まさにミステリー!
2025
06Apr
四谷快談 No.210 映画観てきました
