先日父の葬儀のために急遽秋田に帰省した。
冬以外なら帰る手立ては幾つか候補がある。便利・安心・自由が利くことを考えるなら当然レール&レンタカー。距離が近く便利な北上ではレンタカーの保有台数が少ない。新花巻でも同様。しかもこの二つの駅は仙台以北各駅止まりの新幹線でなければならず、その時間がけっこうもったいない感じ。そこで、東京駅を出発したら上野/大宮/仙台/盛岡しか停車しない最速のE5系「はやて」号で盛岡に降りて、レンタカーで雫石町と沢内村を経由する岩手県道1号線を使うのが最も早くて便利だと思う。
しかし今回冬の雪道運転に自信がないほどもはや不慣れとなってしまったので、秋田新幹線、今話題のこまち号を大曲まで使った。乗車するときに微かに心を過ったのは「そういえば昨年連結が外れた事故があったよね」だった。心情的には「そんなこともあったけど、まぁ珍しいことだろう」程度。帰りも同じこまち号だったが、その時など心の中を過りもしなかった。まさか帰京から数日で、連結器の事故が再び起きようとはオドロキだ。
秋田新幹線が開通したのは1997年。わたしの母方の祖父は田沢湖線がまだ盛岡まで延伸していない当時の生保内駅(現田沢湖駅)の助役だった。もう50年以上前に亡くなったが、あの田沢湖線が盛岡まで延びた時を大変喜んでいたというから、その線路を新幹線E6系最新車両が行き交うなんて知ったらどういう反応を示しただろうか。そのE6系の営業運転開始でさえ2013年、もう12年を経過した。雪深い秋田県と岩手県の境に聳える奥羽山脈を最大25.1パーミルで上り下りするわけで、その過酷さも相当なものだろう。
雪が解けたら父の納骨を行うことになっている。その頃なら岩手県道1号線を使うことになるだろうが、それにしてもやはりE5E6連結の新幹線が見られないのは淋しいことだ。一日も早く原因が特定されますように。
2025
09Mar
四谷快談 No.206 2度あることは3度あっちゃダメ
