アメリカ大統領の就任式が話題である。
ネットで調べてみると、米国大統領の就任式は今回が60回目となるそうだが、それ以外の臨時就任式が9回あった。9回の内6回は前任大統領の死去。リンカーンとJ・F・ケネディは暗殺され、辞職に追い込まれたニクソン大統領がいて合計9回。
その69回を眺めてみると、例えばフランクリン・D・ルーズベルトだけは4回の就任式を経験している。4回目が行われたのは1945年。そして第4期就任の82日目に死去し、同年4月にトルーマンが就任した。1951年にアメリカ合衆国憲法修正第22条が批准されて、大統領選出は2回までとなったのだが、ルーズベルトまでの歴史においても多くて2期までだったのが、どうして4期という異例中の異例が起きたのか不思議。47人の大統領が69回の就任式を行っているのだから、全員が二期務めたわけではないことも面白い。今回就任したトランプ大統領は第47代となるが、彼は第45代の大統領でもあったのは記憶にわりと新しいことだ。
「アメリカの黄金期は今から始まる」「今日のこの日から、我々のこの国は繁栄し、尊敬される」と就任演説を開始し、「私はただひたすら、アメリカを第一にする」と約束した。そして大方の予想通り就任早々次々と大統領令に署名した。
そんな様子を伝えるテレビのニュースを見るにつけ、なんだか超大国の落日を見るかのような思いになった。世界の警察を気取ったあの国の姿はもはやどこにもない。ただの「フツーの国」宣言ではないか。ジェンダーや地球環境にこれほどまで背を向ける大統領令も「フツーの国」の当然の帰結だろう。
そういえばもう亡くなったわが国の総理も、戦力非保持という世界の目指すべき理想を掲げたこの国を壊し、戦争できるただの「フツーの国」に貶めたのだが、そうだよねぇ、彼と親友だったんだよねぇ。
2025
26Jan