ルカ7:36−50
「イエスは女に、「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい」と言われた。」(ルカ7:50)
誰かから怒られるようなことをやったことがありますか。お家の人、お母さんとかお父さんから怒られるようなこと、学校の先生に怒られるようなこと、やったことがありますか。わたしは何回もあります。さすがにお巡りさんに怒られるようなことはあんまりやったことはありませんが、お家の人や先生に怒られるようなことは、たっくさんしました。怒られることはあまり面白くないんだけど、怒られるようなことをやるのって、ちょっと、かなり、面白かったりします。困ったモノです。
時々不思議なことを言う人がいます。「そんなことしたら先生に怒られるよ」。時々子どもが何かやってしまうときにお母さんが良くこんなふうに言います。でも考えたらこの言い方は変ですねぇ。「先生に怒られる」から悪いことなのかな? では「先生に怒られなかった」らどんなに悪いことでも悪いことではなくなるのかな? そんなはずはありません。悪いことはやはり悪いことなんです。誰かに怒られようが怒られまいが関係なく。ね〜、やっぱり悪いことは悪いことだし、どんなに楽しそうでもやっぱりやっちゃいけないんだよね。
イエスさまの時代にユダヤの人たちは、神さまの前に正しいことをすれば神さまから「おまえのことが大好きだよ」って言われると信じていました。神さまに好きになってもらえたら、いっぱい祝福してもらえる。良い人になれるし、エラくもなれるかもね。お金持ちにだってなれるかもしれない。だからみんなとにかく神さまに好かれることをしようと、いっぱい聖書を研究しました。聖書には神さまの思いが書かれているからです。
でも、どうしたって神さまに好かれることが出来ない人もいました。神さまに会うために仕事を休んで神殿にお参りに行く、なんて出来ない忙しい人。決められたとおりの捧げものを神殿に捧げることが出来ない人。それからユダヤ人ではない人。こういう人たちは神さまに好かれないだけでなく、こういう人と一緒にいたら一緒にいる人まで神さまから叱られると、信じられていました。
今日聖書に出て来た「1人の罪深い女」(37)というのは、そういう人だったのでしょう。神さまに嫌われている女だと、みんなが言うような人。だからそんな人が大事なイエスさまとごはんを食べているところに現れたら、みんなイヤな思いになったのです。
ところがこの女の人は、イエスさまを見るといきなり泣き出して、その涙でイエスさまの足を洗って自分の髪の毛でその涙をふいて、とても高い香水をイエスさまの足に何度も何度も塗りだしたのです。女の人にそういうふうにされるままにしているイエスさまのことを、みんなが変な目で見始めました。
その時イエスさまは言いました。「この人はわたしにとっても親切にしてくれているよ。何度も何度も足を涙で濡らして髪の毛で拭いて、たくさん香水できれいにしてくれているよ。人のことをこんなに大切にする人を、神さまが嫌いになるわけはないじゃない?」って。そして「あなたの信仰があなたを救った。安心して行きなさい。」って。
誰にも相手にされなかったこの女の人は、イエスさまにそういわれてどう思っただろうね。きっとものすご〜く嬉しかったんじゃないかな。イエスさまはわたしたちみんなにも同じことを仰ると思うよ。「安心して行きなさい。」って。
お祈りします。
すべての者を愛し、導いてくださる神さま。神さまはわたしたちのことを本当に大好きだと、側においでとまねいてくださるよ、とイエスさまが教えてくださいました。イエスさまのそのお言葉を信じることが出来ますように。どんな時も神さまがわたしたちを「大好き」と言ってくださるから、わたしたちもお互いを大切にすることができます。どうかわたしたちを見守っていてください。このお祈りをイエスさまのお名前によっておささげいたします。アーメン。