31日(金)朝、テレビは「トランプ前大統領に有罪評決」と速報を流した。大統領経験者が刑事事件で有罪評決を受けるのは初めてのことらしく、ニューヨーク州地裁前は評決後も長時間に亘って取材陣が溢れていた様子だった。ただ彼らにしても「こんなに早く起訴された34件すべてについて評決されるとは思ってもみなかった」ようではある。
この事態に対しトランプ氏は「我々は何も悪いことをしていない。私はまったくの無実。大丈夫、私は国のため憲法のために戦っている。」と記者団に発言。一方バイデン氏は「ドナルド・トランプを大統領執務室から締め出す方法はひとつだけ。投票することだ。」とSNSに発信。ホワイトハウスは「我々は法の支配を尊重する。それ以上のコメントはない。」との報道官コメントを発表した。
起訴された34件は充分な証拠調べが行われ、その証拠に基づいて判断され、一般市民である12人の陪審員全員が34件すべてについて「有罪」と認めたということ。「大統領経験者が刑事事件で有罪評決を受けるのは初めて」ということ以上に重大なことではないかとわたしには思えた。もちろんトランプ氏に控訴する権利は与えられているし、当然控訴する模様だ。トランプ氏に対する支持者は調査によってはバイデン氏より多いのだが、この件が大統領選挙にいったいどういう影響を与えるのか、本当のところ誰にもわからないのだろう。一方は「法の支配を尊重」すると言い、一方は「法自体が歪められている」と言う。有権者は一体どちらサイドのsupreme lawを良しとするのだろう。
量刑は7月11日にマーチャン判事によって言い渡される。共和党で大統領指名を受ける党全国大会は7月15日から始まる。なかなか微妙な日程。太平洋を隔てた隣国──「隣」という感覚は全くないのだが──のこの騒ぎ、この国にあってもしばらくの間話題は尽きないだろう。
2024
02Jun