「消滅可能性自治体」という言葉を聞いた。
それは、2050年までの30年間で20〜30代の女性が50%以上減る自治体のことらしい。2014年に第1回目の分析発表が行われ、896の自治体がこれに当たるとされたが、今回の発表では744自治体と若干の改善が見られたようだ。但し、改善要因には外国人の入国超過数増加が挙げられていて、全体としては少子化基調は変わっていない。すべての自治体のデータが公開されているので試しに故郷秋田県を見てみたら、秋田市を除くすべての自治体が 「消滅可能性自治体」だった。総じて西日本に比べると北日本の人口流出が激しいという結果のようだ。
そんなものだろうと思う。わたしの生まれた町は平鹿郡平鹿町。小さな町ではあったが当時小学校は4つあった。住まいの地域に同級生が12人いて、10人が男。内8人は農家の、それもみな長男だった。そしてどの農家も息子に家業を強制しなかった。兼業農家として地域に残って農地を守っている者は8人中2人かと思われる。ほかはわたしをはじめ流出したのだ。
比較対象にはならないけど、新宿区も見てみた。なんと「ブラックホール型自治体」だった。それは「人口の増加分を他地域からの人口流入に依存しており、しかも当該地域の出生率が非常に低い」自治体とのことらしい。ま、そんなものだろう。その結果がそのまま四谷新生幼稚園の現状だから。
東京はコロナ禍のもとで人口流出が流入を上回った経験がある。だがコロナが落ち着き始めたら結局流入が増えてもとのようになった。「利便性」が魔力のように人々を惹きつける。そしておそらく「自律持続可能性自治体」の中で奪い合いが生じ、政治的には地方を顧みる余裕をますます失って行くだろう。区切りの年を迎える度に「○○年問題」と言われながら。
だから、発想の転換なのだな。光の当たってこなかったところを照らすような。それが出来なければ教会だってきっと。
2024
28Apr