昨年から今年にかけて新宿区私立幼稚園連合会が取り組んでいることのひとつに、幼稚園教諭の家賃を公的に保証してほしいという陳情がある。
例えば新宿区の保育園の場合、事業者が借り上げた宿舎に保育士が住むその家賃や共益費・更新料など月額8万2千円が補助される。新宿区の場合1DKで11万、ワンルームで9万円が相場らしいから個人負担する家賃は3万円以下となる。そしてこういうアナウンスがインターネットの保育士就職サイト等で大々的に取り上げられている。
ところがこの制度は幼稚園には適用されない。幼稚園の教諭はそれぞれの事業者が規定に定める「住宅手当」だけ。四谷新生幼稚園の場合2万円に満たない。すると個人負担が10万円近くなるわけで、ただでさえ幼稚園教諭のなり手が少ない中、限られた資格保有者が圧倒的に保育園に流れてしまう。だからこの保育士向け借り上げ社宅制度を私立幼稚園にも拡大してほしいと陳情を重ねている。なかなか壁は分厚く1ミリのヒビも入りそうにない。
先日4月に入社した新入社員が直後に退社するケースが増えているのではないかとテレビで紹介されていた。それだけでなく入社=前=から「=転職=サイト」に登録している人もいるとか。我が業界で言えば養成校の就活段階で早々保育士紹介サービスに登録する学生も多いように見受けられる。入社前から転職サイト登録というのもオドロキの実態なのだが、それも当事者たちにとっては「自分の意志を大切にしている」ゆえの早期退社と評価されているとも伝えられた。
一頃、テレビのCMと言えば女性用の化粧品か生理用品が多数だった。いつの間にかほとんど見なくなった代わりに今は転職サイトや求人サイト、そして弁護士事務所や司法書士法人の、キャリアアップや過払い金請求ばかりが目立つ。
願わくは「自分の意志」と「客観的評価」が釣り合いますように。
2024
21Apr