異次元の少子化対策の中味が決定したという。「子ども・子育て支援金」制度については既にマスコミが報道していたのだが、それに加えて「異次元の」と呼ばれる中味が閣議決定されたのだ。
児童手当が18歳まで所得制限なく給付される、育休を両親が14日以上取得した場合最大28日分の育休給付が得られる、「子ども誰でも通園制度」が26年度から全国で展開されるという3本に加えての「支援金」。医療保険料に上乗せして徴収され、制度や所得によって多少の違いはあるものの28年時点で医療保険加入者ひとりあたり月およそ500円弱の負担となるらしい。
4本の柱を聞いて、これを「異次元」と称する者は誰もいないのではないかな。次元が異なるような制度とは思えない。これまでにないことと言えば唯一が「支援金」であって、これも28年度で1兆円規模。これだって23年度の防衛費が予算ベースで6兆8千億円を上回ることを思えば、「何が異次元か!」と悪態をつきたくもなる。金額の比でだけ見れば防衛費と子育て支援金のふたつ=だけ=で一人月額4000円の負担増。しかも方や天井知らずなのだし。
幼稚園という現場から気になるのは「子ども誰でも通園制度」だ。幼稚園や保育園などを利用していない生後6ヶ月から3歳未満の子どもで月10時間程度の利用を想定しているらしい。10時間といえばだいたい月2日で使い切る。検討会がこの制度のメリットとして「子どもの育ちに適した人的・物的・空間的環境があり、専門職がいる場で、家庭とは異なる経験や、家族以外の人と関わる機会が得られる。」を挙げているのだが、嬰児乳児で、しかも2日という期間で、「専門職」との間に濃密な関係など築かれるだろうか。むしろ毎日の継続された人的支援の中で、たまに育ちに適した物的・空間的環境が提供されるということを考えた方が良いのではないか。
増税メガネさんに「子ども」はどう見えているのだろうか。
2024
18Feb