家電量販店の対照的な現状を「日刊SPA!」が掲載していた(8月24日号)。比べられていたのはヤマダ電機とケーズデンキ。どちらもCMや実店舗でもよく見かける。
おもしろいと思ったのはケーズデンキの経営方針。その合い言葉が「がんばらない経営」だという。その真意は「無理をすれば必ずその反動があり、経営に何らかの歪みが生じる」「顧客第一主義を貫くためには、社員、取引先、顧客の順番で考える」だという。ますます面白い。
ここに来て日本はあらゆる面で国際競争力がどんどん低下しているように見える。幼稚園の現場の「少子化」はもはや単なる呟きを超えて絶叫レベル。経済においても人口対策においても富国強兵というか創世記的というか、「産めよ増えよ」「殖産興業」のまるで真逆、沈下減少に歯止めがかからない。
平成の大合併がその象徴のように思える。とにかく大きくなること(だけ)が至上命令だった。税収が増えないのであれば納税人口を増やす必要があり、そのためには町村合併して大きな自治体になることが手っ取り早い。だが、自治体が大きくなるということは行政サービスもそれに比例して大きくならざるを得ないから、納税者が増えるということはサービス受給者が増える=歳出が増えることは明らかだろう。だからまるで目くらましのように「大きくなればサービスの質が向上する」と根拠なくバラ色の予想図を垂れ流した。小さな町の役場が出張所となりやがてそれも廃止になった。大きくなってサービスの質は目に見えて低下した。すべては「大きくなる」至上命令がスタートから過ちだったせいではないだろうか。「大きくなる」夢の呪縛からどうやって抜け出せるか。ケーズデンキの発想はその解の一つに思える。
以上のことは、おそらくキリスト教界のそう遠くない現実にも違いない。いや既にそれは明らかになりつつある。どこに解を見出すのか。今あらゆる叡智を集めて探求しなければなるまい。