四谷では平和聖日の教会学校礼拝で絵本を読む。
実は2年連続で谷川俊太郎さんの「へいわとせんそう」を読んだ。この本は見開き2ページが対になっていて、左側に「へいわなとき」、右側に「せんそうのとき」が描かれている。Noritakeさんのモノクロ線画がとても心に残る。
今年は別の絵本をと思い発注した。ついでにブックレビューも──しかもどうせなら批判的レビューを──読んでおこうと思った。「平和とはどういうことか、平和な方が良いことは世界の皆が分っているのに何故、平和にならないのか?どうすれば本当に世界が平和になるのか?それを子供に伝えない!大人がそれを分かっていない!だから、こんな本が課題図書になり分からないまま大人になってしまうんです。」と書いてある。ちょっとビックリした。そしてご自分のお子さんの反応が記してある。「相手の気持ちを考えてあげる。言葉が通じない子供達が相手でも楽しくなるように面白いことをしてあげる。」。
何に驚いたのか。この方は(絵)本に正解を求めておられる。そしてご自分のお子さんは答えがわかっていると。それは自慢ではなく、それが一番素晴らしいことだろうとわたしは思った。
つまりこのお子さんは、批評者にとって「はっきり言って読む価値はありません」と言い切るこの本にインスパイアされて、自分で考え、答えを導き出している。「相手の気持ちを考える」と。言い聞かせられたり教科書に書かれるような「答え」などより自分で考えた答えは、どれほど貴重で価値あることか。
レバノン出身の詩人・画家・彫刻家であるハリール・ジブラーンの「あなたの子どもは」という詩の一説が心に浮かんだ。「あなたは子どもに 愛を与えることはできる/しかし 考えを与えることはできない」。そう、考えるのは本人であり、自分で考えることそれ自体が本当にとても大切なことなのだ。
さて何という絵本なのか。知りたい人は8月6日を待て!