東京都私立幼稚園連合会が行った園児募集のアンケート、結果が送られてきた。募集定員に対して充足率は平均58%。これを四谷新生幼稚園に当てはめてみると、募集定員は25名に対して確定入園者数は15名。カッキリ60%。まさに平均。
平均値だから状況によってはものすごく深刻なところもあるということに違いない。例えば認定こども園の1号児(ほぼ幼稚園と同じ)の募集も同じように低下しているようだ。全国的な傾向だとも聞く。ということは単純に考えて「幼稚園」と呼ばれる保育施設は全体的に敬遠されているのだと言って良いだろう。
一方「待機児童解消」の号令の下、増やしに増やされた保育園もここに来て少子化の影響をもろに受けて定員割れが起き始めているらしい。「子育てに優しい政策」として1994年に始まった「エンゼルプラン」以後枚挙に暇がないほど少子化対策はずっと続いている。しかしそれらの政策は「女性の社会進出(有り体に言えば女性が外で働くこと)」が上昇しただけで、少子化はむしろ進んだ。有能な方々が各省庁を横断的にとりまとめた政策であったのに、だ。と言うか、むしろそうだったからこそ政策として失敗だったと言うべきなのか。
子ども・子育ての課題といえば「保育所(の定員)を増やす」ことが先ず頭に浮かぶのだが、それは施設側からすると何ら積極的意味を持たない。かつて農村から労働力を吸い上げたのが今度は家庭に居た女性を吸い上げよう、その始末は施設に負わせようではねぇ。その始末を負ってくれない幼稚園は預け先として不十分と判断され、それが60%を割る事態になったのだ。
時給1500円獲得は極めて大事なことだが、「子どもを育てる」ことはもっと大事な事業。そのために時給並み(とまでは言わないことにしよう)の児童手当が支給されたら、子どもを産み育てることがまさに「事業」となるのではないか。そんな気がするのだけどねぇ。