幼稚園は8日(土)に運動会を行った。前日遅くまでかなり強い雨が連日降り続いていたことを思えば奇跡的な一日だった。一昨年は運動会どころではなかった。昨年は子どもたちだけで園庭で「運動の日」を行い、ダンスは後日クラスごと保護者に観てもらった。だから3年ぶりに四谷中学校をお借りしての開催。
四谷中学校は現在体育館の塗装変更工事中でグラウンドにはフェンスが設けられ一部は使用不能なのだけど、そこは体格の大きい中学生と幼稚園児の差、工事フェンスに囲まれた中でも十分すぎるほどの広さを確保できた。園庭より遙かに広い場所にもかかわらず子どもたちは広さにも直ぐ適応している。たいしたものだ。
わたしは運動会が苦手だった。なんと言っても走るのが遅い。「途中でUターンできたら一等賞なんだけどねぇ」と親戚からいつも冷やかされていた。余談だが児童精神科医の故佐々木正美先生が講演で「どんなに努力したって走るのがそんなに早くはなりません。がんばっても身長がそんなに伸びないのとおんなじです。個性なんですから。」とお話しくださったのを聞いて、頭上の重しが取れたのがほんの10年ほど前。「運動会」というのはわたしにとってそれなりにトラウマだったんだな、きっと。
「『運動会』には抜けている言葉があるよ。本当は『運動を楽しむ会』だよ。運動を比べるのではなく楽しむ会。みんな今日を楽しんだかな?」。あの頃の自分に誰かがそう言ってほしかったと思いながら、閉会式、目の前の子どもたちに話す。
人間という種族はどうやらなんでも比べたがる。比べるためならさまざまなモノサシを発明できる能力が備わっているようだ。そして自ら比べることで自らを疲れさせる。ストレスは自分の外からも来るだろう、しかし案外自分でつくり出しているものなのかも知れぬ。
負の連鎖から解放されようよ。来年から「運動を楽しむ会」と呼んでみるか(^^ゞ (ムリムリ…)。