幼稚園の家族遠足が2年のお休みを経て再開された。6月3日みんなお家の人と一緒に新宿御苑大木戸門前に集合した。
新宿御苑は「一般財団法人国民公園協会」によると「江戸時代に徳川家康の家臣・内藤清成が賜った大名屋敷がルーツといわれています。明治維新後に国営の農事試験場が創設され、宮内省の御料地を経て、明治39(1906)年に皇室庭園として誕生しました。国際外交拠点のパレスガーデンとして発展し、昭和24(1949)年に国民公園として一般に公開されました。」ということらしい。新宿と聞くと、大体歌舞伎町に代表される一大歓楽街の賑わいが先ず思い浮かぶのだけれど、その歓楽街に並んでこんなに広々として気持ちの良い空間があるなんて、オソルベシ。
こういう場所で園長は、せっかく広々としているのにもっぱら足下ばかり目をやる。やがてそれに気づいた子どもが「園長、何やっているの」と声をかけてくる。わたしの視線の先にはちいさな草や花。すべて知っているわけではないから携帯カメラに収めて後で調べる。子どもたちにはそんなことをしている園長が少し気になるよう。この季節こういった場所は草花やちいさな実の宝庫なのだ。今咲きほこる花が2週間ほどでガラッと変わってしまうわけで、毎年見られるとはいえ一期一会の心持ちが自然と湧いてくるので、どうしてもかがみ込んでしまうのだよ。なんて受け答えを最後まで聴いている子どもはいない。
子どもたちが駆け回っている芝生広場に、鶏の卵ほどの不思議に黒い石が落ちていた。教会玄関の書類を並べる棚に、文鎮の代わりにちょうど良い重さ。見ると看板に「草や生きものを折ったり持ち帰ったりしてはいけません」と書いてある。石ころなら良いんだ、と勝手に判断して持ち帰った。今、教会エントランスの書類をいたずらな風から守ってそこに鎮座している。
西の空ににわかに黒雲が出始め、予定時間を繰り上げて「さようなら」の挨拶をした途端ポツポツ来た。ナンというタイミング!