先日お気に入りのタイカレー店で昼食をしていたときのこと。
ランチタイムは行列が出来てしまうので、少し時間をずらして出かけたら運良く並ばずに着席。店内7割程度埋まっているが、回転が良いのだろう。いつものメニューをオーダー。
隣の席に4人、話の内容から近くの大学医学部生、おそらく2年生かと思われる。静かな店内に、彼らのテンションの高い声が響き渡っている時点でなんとなくイヤな予感。
ここのカレーは本当に美味しいのだが、隣のハイテンションがイヤでも耳に入ってくる。コロナ感染が新年に入って急増している中、各地の医療従事者が連日奮闘している中、その医学の道を進もうとしているであろう彼らが、幼稚園児でさえ「黙食」出来るのに食事中にハイテンションでしゃべりまくっている時点で既にアウトだが、その話の内容がさらにアウトだった。
最初は今度の口頭試問への対応を話しているようだった。だが次第に最近の出来事、それも医療従事者にとって非常に悲しい出来事に進んでいった。埼玉で弔問に訪れた医師が監禁射殺された事件の翌日だったのだ。
医師が散弾銃で撃たれたこと、もうほとんど即死状態だったのではないかという推測、にもかかわらず容疑者は「医者を救いたい」と捜査員に語ったことの矛盾、催涙スプレーをかけられたときに一人逃げで助かった方のこと、それを高笑いしながら、時に助かった人をディスってみたりのやりたい放題。
カレーの辛さ以上に、はらわたがどんどん加熱していくわたし。ほとんどキレかかっていたのだと思う。黙々とスプーンを口に運んではいたが。
「こんなことで逆恨みされたんじゃ、恐ろしくて医者なんてやれないよな」と宣うが、キミキミ、君たちみたいな医者に診てもらうわたしたちの方が怖くてやってられないんだよ、と、席を立ち上がったわたしは腹の中で叫んでいた。