今月は、妙に暖かい日もありましたが、その分、気温の低い日は寒さが身に沁みました。折しも教会では受難節の真っただ中。受難節というのは、イエス・キリストの十字架上の苦難を思い起こし、悔い改め、祈りつつ、復活祭を迎える準備をしようという時節です。
個人差は大きいと思うのですが、十字架上の苦難に限らず、自分が経験したことのない痛みや苦しみを理解するのは難しいことです。そもそも、痛みや苦しみは社会のあちこちに存在しているのに、私などはそれらを理解するどころか、気持ちが向くこと自体が少ないです。でも、冷たい北風に吹きつけられながら夜道を歩いているような時には、何だか悲しくなり、困難に直面している友人のことや心痛むニュースを思い出し、そのような状況に置かれる辛さを想像してみます。寒い中だと少し上手くいきます。受難節はそんな時節にやってきます。上手くできているなと思います。
あ、でも、よく考えてみると、地球上には、汗をダラダラ流しながらの受難節とか、うららかな陽射しの中での受難節とか、色々あるはずですね。日本でも着実に春が近づいてきています。自分がどんな状況に置かれていても、他者の痛みに思いを向け、心から祈れるような、そんな日々の過ごし方ができるようになりたいものです。
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